労働者派遣法が定める派遣期間の制限を確保するうえで、「同一の業務」というただし書きが用いられている。これは派遣先を規制するものであり、次のように規定されている。「派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(中略)について、派遣会社事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない」(労働者派遣法第40条の2)。つまり、同一の業務でなければ派遣期間は一からスタートするということであり、同じ企業に派遣され続けてもかまわないということである。このため、同一の業務について行政側は基準を用意して行政指導をしている。それによると、この同一の業務については、「労働者派遣契約を更新して引き続き当該契約に定める業務に従事する場合は同一の業務に該当する」としている。さらに、「派遣先における組織の最小単位において行なわれる業務は、同一の業務とみなされる」としている。この「最小単位の組織」としては、業務の内容について指示を行なう権限を有する者と、その者の指揮を受けて業務を遂行する者とのまとまりのうち最小単位のものをいうとし、係や班・課・グループ等が該当する場合もあり、名称にとらわれずに実態によって判断するといわれている。また、(1)派遣労働者を受け入れるために、形式的に係や班に分ける場合、(2)従業員数が多いなどの理由で、管理の必要上から係や班に分ける場合、(3)係や班などの部署分けをしていないが、就業の実態は係や班のような組織単位で業務を行なっている場合、などについては、同一の業務とみなされる。さらに、虚偽その他不正の行為で派遣を受け入れている場合には、当然「同一の業務」規定に違反していることになるし、あるいは受け入れていた係・班等の名称を変更したり、組織変更を行なうなど、従来の係・班等とは異なる係・班等に新たに派遣を受け入れ、または受け入れようとする場合にも規定に違反しているとみなされる。