小学校受験の後遺症

2011.05.16

受験前一年間、風邪をひこうが、法事だろうが、まず変わらずにスケジュールに従って毎日をおくっていたそうだ。幼稚園が休みのときには、おけいこや塾の授業がふだん幼稚園に行っている時間帯になる。つまり九時から二時まで塾かおけいこ。残りの時間をすべて「家庭学習」にあてる。週に二回受験塾、月に三回の体操教室、週に一回の図工教室をかけもちで通っていた。そんなわが子のあまりに苛酷な毎日がふと不安になって、母親は塾の先生に聞いた。「先生、こんなにハードな生活が子どもに何か悪い影響を及ぼさないでしょうか?」すると先生は事もなげに答えたという。「その点はまったく心配ありません。子どもはたくましいから一年も経たないうちにきれいに忘れてしまいます」その子は現在小学校三年生であるが、見たところたしかに元気なやんちゃ坊主である。「トラウマはなかったみたいね。これから出てくるかもしれないけれど」と母親は言っていた。だが全員が全員、厳しい受験生活をたくましく乗り越えていけるわけではない。インタビューした中に二人、小学校受験の後遺症と思われる症状の出た子どもがいた。
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