看護師と患者とのあいだの身体的接触の価値は、とくにその行為の効果が気持ちのよいものであるなら、みくびるべきではない。上記の論旨は、基本的看護ケアを記述するのがなぜむずかしいか、とくに質的な言い方で記述するのがなぜむずかしいか、その理由を暗に含んでいる。以下は一般的なことを書いたのであり、年齢、健康状態、文化などによる基本的看護の変容については触れていない。ごく普通の病理学的状態が要求する変容についても記さなかった。ケアの変容というこのことは、看護をひとつの芸術にする創造的要素である。看護の基本的技術あるいは何かの芸術の構成要素は記述できるが、何にせよ芸術の達成には芸術家がそれらの構成要素を独自の組み合わせで巧みに扱うことが求められる。それと同じで、患者一人ひとりのケア計画はそれぞれ異なっていなければならない。グッドリッチ先生は看護の発達における次のような3段階について語っている。すなわち、情緒の段階、技術の段階、そして創造の段階である。おそらく看護師各人はこの3つの段階を自分の職業人生の上にも感じとることができるだろう。まだ若い看護学生の頃、彼女は自分の患者に対してもっぱら情緒的に反応することはできよう。その彼女が技術を身につけていくにつれて、自分の学習した技術を使って患者を助けようとする反応を示すようになる。そして最後に、基本的技術にある程度熟達したところで、彼女は自分の情緒的ならびに技術的反応をひとつの創造的なサービスのなかで自由自在に活用できるのである。
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